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標的型攻撃メール対策

標的型攻撃メールと招かれざる悪質訪問販売は必ずやってくる

ある日のこと、私が家にいるとインターホンのチャイムが鳴りました。

何の用かなとインターホンの通話ボタンを押して、応答したところ、男の声で「宅配便です」と一言。

私はこの一言を聞いて即座に「あやしい」と感じました。

何か変だと察知する感覚

宅配便?

たくはいびん?そんなの聞いたことがないぞ?

普段の荷物の配達なら、私はすぐに印鑑を持って受け取りに出ますが、この時は違和感を覚えて思いとどまり、「どこから、何を、誰宛に送られてきたのですか?」とインターホン越しに男に聞きました。

実は新聞の購読勧誘だった

すると玄関ドアの向こうにいる男は、「○○新聞の購読勧誘にきた」と言ったのです。

もちろん私は玄関ドアを開けることなくインターホン越しにきっぱりと断り、悪質なやり方で玄関ドアを開けさせようとする危険な人間を無事帰らせました。

でも、このような卑劣な方法に騙されて玄関ドアを開けて応対に出てしまい、断りきれず無理矢理に新聞購読契約をさせられる人も何人かはいるのであろう事を深く憂います。

何故変だと感じたか

これまで我が家に配達に来ていた業者は「郵便局です、荷物のお届けにあがりました」とか「ヤマト宅急便です」とか、必ず会社名を名乗っていました。

しかしこの悪質な勧誘者の場合は、用件を聞いた時に「宅配便です」としか言わなかったことに、私は違和感を覚えて、何か変だと察知しました。

必ず我が家にも招かれざる悪質訪問販売や悪質な勧誘者はやってくる、と、いつも用心していたことも、身を助けてくれたと思っています。

標的型攻撃メールも同じ手口

実はこの悪質な勧誘者のやり方こそが昨今の標的型攻撃メールの手口です。

標的型攻撃メールも、「請求書です」とか「荷物の再配達案内」とか、受信者が自分に関係ある内容と感違いして、添付してあるウイルスファイルを開くことを狙っています。

玄関ドアをあけさせること、添付ファイルを開かせること、どちらも勘違いさせるようにあの手この手であなたを狙ってきます。

標的型攻撃メールが届く、悪質な勧誘者がやってくることは、メールを受信する、家に玄関があるかぎり、どちらもあなたが防ぐことは出来ません。

日頃から、いつか自分のところにも標的型攻撃メールは必ず届くことを忘れず用心し、届いたメールの差出人に心当たりはあるか、内容に不審な点はないかしっかりと観察してください。

特定の組織を狙った攻撃では、はじめのうちは業務に関係したメールのやり取りを続け、信頼させてから添付ファイルを開かせるという凝った手口による攻撃も行われています。

しかし、個人を狙った散発的で無差別な攻撃は、届いたメールをしっかり観察すればっ簡単に見破ることが出来る場合がほとんどです。

オレオレ詐欺も勘違いさせる手口ですが

荷物の配達を装い悪質な勧誘を行おうとする以外にも、手当たり次第に電話をかけて、身内になりすましてオレだオレだといって勘違いさせて金を奪い取るオレオレ詐欺も、勘違いさせるという点では標的型攻撃メールと手口は似ています。

しかし、オレオレ詐欺は高齢者が特に被害を受けやすいことが特徴で、無差別に電話をかける作業に限界もあり、犯人が振り込まれた現金を引き出す時や受け取りに来た時に逮捕されることもあります。

ところが標的型攻撃メールは一瞬で大量のメールを送信出来て、年齢に関係なくひっかかってしまい、攻撃者は捕まることがほとんどありません。

今後もますます標的型攻撃メールやそれを経路としたランサムウェアは猛威をふるい、被害も増えることは必至です。

しかし、個人を狙った標的型攻撃メールに限っては「何か変だ」と察知できる感覚さえ身に付ければ、添付ファイルを開いたり、本文に案内されているWebサイトを見に行ったりしてあなたがウイルス攻撃やマルウェア攻撃の被害者になることはまずありません。

「宅配便です」と「ヤマト宅急便です」、この小さな違いに敏感になり、標的型攻撃メールは自分のところにも必ず届くと理解していることがウイルス対策の根本になるのです。

sada

1万台以上の事務用端末がある組織の情報管理部門で情報セキュリティマネジメントを担当しています。私の実体験を交えながら情報セキュリティ対策を解説しています。

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