いつまでも繰り返される、個人情報入りUSBメモリー紛失事故。
あなたの会社や組織でUSBメモリーに無断で情報をコピーしてはいけない、と規定はあっても、実際に業務に使っているPCにUSBメモリーを刺せば使えるなら、いつか必ずUSBメモリー紛失事故による個人情報漏えいは起こります。
ルールや教育だけでUSBメモリー紛失事故は防げない
USBメモリー紛失事故の根本的な対策は、職員や社員への情報セキュリティ教育なんかじゃなく、USBメモリーにデータを複製出来ないようにする物理的な対策です。
情報セキュリティ対策への取り組みが進んでいる企業や組織では、今やUSBメモリーが自由に使える業務用PCなんて過去の遺物です。
事務処理用PCでUSBメモリーを使えなくする方法
USBメモリーを使えなくする方法はいくつかあります。
BIOS設定を変更するだけでもUSBポートを使用不可にすることは出来ますが、そうするとUSBマウスやUSBキーボードも使えなくなるので、USBメモリーなど大容量記憶媒体がUSBポートに挿されても認識しない設定が必要です。
ウイルス対策ソフトやUSBメモリー無効化ソフトを使う
Webを検索すれば、USBメモリーを無効化するソフトウェアが販売されていますし、中には無料で使えるUSBメモリー無効化ソフトも見つかるはずです。
USBマウスやUSBキーボードは使えるままでUSBメモリーなどUSBポートに接続して使う大容量記憶媒体だけを制限してくれるので大変便利です。
これらUSBメモリーを無効化するソフトウェアを利用する場合は、USBメモリー無効化の設定を職員や社員が勝手に変更出来ない対策が取られている製品を選びましょう。
レジストリ変更でUSBメモリーの利用を制限する方法
USBメモリーを認識しないようにするためだけにソフトウェアをインストールする事に抵抗があるなら、windowsのレジストリの値変更でUSBメモリーの利用を制限することも可能です。
もちろんこの方法でもUSBマウスやUSBキーボードは使えて、USBメモリーなどは制限できます。
変更するレジストリキーと変更の方法は以下のとおりです。
レジストリエディタの起動
レジストリエディタ起動方法
- キーボードの Windowsキー(旗マーク) + Rキー を押す
- 「ファイル名を指定して実行」ウィンドウの入力ボックスに半角で「regedit」と入力する
- [OK]ボタン を押す or キーボードの Enterキー を押す
目的のレジストリキーを探す
変更するレジストリキー
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\services\USBSTOR
レジストリエディタ左側のファイルエクスプローラー風のツリーからキーを探していきます。
HKEY_LOCAL_MACHINEをクリックして開いたツリーからSYSTEM\CurrentControlSetを、そしてservicesの中のUSBSTORをクリックします。すると次のような画面になり、Startの値を変更します。

Startをクリックすると値の変更が出来る。
レジストリキーの値を変更する
Startの値は通常は3になっています。この値を4に変更することでUSBメモリーが使えなくなります。

Startの値を3から4に変更する。
バッチファイルで値の変更を省力化できる
上記のように1台1台の業務用PCのレジストリエディタを開いてキーを変更するのが面倒な場合はレジストリ変更をバッチファイル化して省力化を図ることも出来ます。
USBメモリー無効化バッチファイルの作り方と使い方
テキストファイルを新規作成で開き、次のように記述します。
reg add “HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\services\USBSTOR” /v “Start” /t REG_DWORD /d 4 /f
pause
記述したら保存し、拡張子を「.cmd」に変更して完了です。
あとは作成したバッチファイルをダブルクリックで実行し、「この操作を正しく終了しました」と表示されたら完了です。
ここでご紹介したUSBメモリーの利用を制限する方法は、会社や組織の業務用PCが数台や数十台の規模でリモート制御もされていない場合を想定しています。
私の組織のように1万台以上の一般事務用PCがある場合は、リモートで一括作業するのが一般的です。
パソコンでUSBメモリーを使えなくする方法はある
ルール作りや教育だけでは、絶対にUSBメモリー紛失による個人情報漏洩事故はなくなりません。
ルール作りや教育だけで個人情報が守られると思っている上層部は愚かでさえあります。
職場のPCが、USBメモリーが使えないようになっていれば、USBメモリーに個人情報をコピーして、そのUSBを紛失して個人情報を漏洩させる者は確実に減るのです。
なぜそんなうっかりミスが起こるのか?とあきれる謝罪を行うまえに、ここでご紹介した、パソコンでUSBメモリーが使えなくする方法を、是非ご検討ください。

